第28回絵本原画展
終了しました
「チョコレートをあげるならアントン!」
2022年1月22日(土)~2月1日(火)

時 間 10:00~18:00(入場は17:30まで)
会期中無休
会 場 高崎シティギャラリー 第1展示室・予備室
(高崎市高松町35-1 / TEL.027-328-5050)
料 金 おとな 1,000円(前売り800円)
こども500円(4歳以上18歳未満/前売り400円)
団体 おとな500円 / こども300円(年少以上)
※10名以上で団体扱い。必ず事前予約をお願いいたします
駐車場 城址地下駐車場、城址第二地下駐車場、高松地下駐車場を
ご利用ください。絵本原画展受付にて駐車券に割引スタン
プを押させていただきます。
駐車料金は30分迄ごとに80円です。
ピッピ、エルマー、アントン…長く読み継がれてきたお話のなかには、チョコレートを贈りたくなるような魅力的な仲間がたくさんいます。
第28回絵本原画展では、そんな彼らの物語を絵本原画と幼年童話、児童文学の展示を通してご紹介します。絵本は子どもたちに日常の輝きを教えてくれます。幼年童話は読書の入り口となり、児童文学は想像を膨らませる力となります。そしてそれらのお話はいつの日かあなたの心の支えとなってくれるはずです。絵本から幼年童話、児童文学へと、子どもたちの成長に共に寄り添う作品を大人も一緒にお楽しみください。
展示・紹介作品
※第28回につきましては原画展示でないものもあります。予めご了承ください。
絵本(原画展示作品)

かたやま けん 作
福音館書店
1981年「こどものとも」
(1992年こどものとも傑作選)
「なんだか きみは おいしそうだねぇ。ちょっとだけ なめて いーい?」と、くまとぼくの衝撃的な会話が繰り広げられる『おなかのすくさんぽ』。表紙からただならぬ感じがしますが、「ぼく」のモデルは作者の片山健さんの息子さん。創作の発端は息子さんの子育てを通して、赤ちゃんのどんどん前に行こうとするエネルギーに圧倒されたことにあるようです。その様子を片山さんは「人間ていうより生き物という感じ」と表現しています。本作はその“生き物感”が非常によく表れています。淡い色鉛筆の線を重ね、自然の力強さや生命のうごめきを表現した画面はその 1 本 1 本の線がまるで動いているように感じられます。ぼくが川で遊んだり坂道を転げ落ちる場面では、命のめいっぱい感が伝わってきます。ぜひ会場でその“生々しさ”を感じてほしいです。

谷川 俊太郎 作
元永 定正 絵
文研出版
1977年
『もこ もこもこ』は単純な形とわずかなオノマトペで構成されていながら、生と死のエネルギーが感じられる絵本です。発刊当初は「図書館に入れるべきか」「こんな変な本を出すな」という意見もあったようですが、子どもの心にはちゃんと響きました。作者は具体美術のアーティストでもある元永定正さんと詩人の谷川俊太郎さん。1956 年にニューヨークで出会い、落書きにタイトルをつけるという“遊び”を楽しんでいた仲です。絵を担当した元永さんは鉄道員や郵便局員、セールスマン、看板屋と様々な仕事を経験してきた人。仕事の傍ら徐々に漫画を描き始め、油絵、抽象画、具体美術、そして絵本の世界へ進出してきた方です。常に「遊びの精神」を大切にされており、新しいことへ挑戦して来られました。その不思議な色と形とことばの世界を原画でお楽しみください。

田島 征三 作 偕成社
1988年
『とべバッタ』はタイトルどおり、「とべ!」とバッタを鼓舞する物語。葉の裏に隠れていたバッタが意を決して外の世界へと視野を広げていきます。外の世界は天敵がいっぱいで、あっちでこっちで食べられそうになります。飛ぶのだってまだよろよろと危なっかしいのです。きっと子ども達はドキドキハラハラ、バッタを見守っていることでしょう。事務局で話している時には、この姿が「なんだか自分の殻を破ろうともがく思春期みたい」という話もでました。皆さんはどのように読み取るでしょうか?田島さんの絵には独特の透明感があります。その秘密は水性ボンドに泥絵の具を混ぜた特製の絵の具です。画面を縦横無尽に走る筆のタッチの美しいこと。今回すべての原画を展示することは叶いませんが、その透明感と幾何学的にデザインされた美しい世界を存分に楽しんでもらえる場面を選びました。お楽しみに!
幼年童話

『エルマーのぼうけん』
ルース・スタイルス・ガネット 作 ルース・クリスマン・ガネット 絵
わたなべ しげお 訳 福音館書店 1963年
幼年童話からは『エルマーのぼうけん』シリーズをご紹介します。いったいこれまでにどれくらい沢山の子どもたちがエルマーと一緒に冒険に出たでしょうか?久しぶりに読み返すと、幼少期に感じた“リュックに詰めたみかんの味”を思い出しました。原画展ではそんなエルマーの世界を、作者のルース・スタイルス・ガネットさんの紹介とともに、工夫を凝らしながら展示できたらと考えています。
※幼年童話とは…子どもが絵本の次のステップとして楽しめる本。文章が比較的多く、挿し絵として絵が描かれています。絵と文章両方を楽しむことができ、年長さんくらいからは自分で読めるようになります。児童文学のような長いお話を読み始めるきっかけにもなりますよ。
児童文学

『長くつ下のピッピ』
アストリッド・リンドグレーン 作
岩波書店

『神秘の島』
ジュール・ベルヌ 作
福音館書店

『トムは真夜中の庭で』
フィリパ・ピアス 作
岩波書店
